「それ、静寂《しじま》のかわりに持ってきてくれたんだね。有り難う。
本当にごめんね。静寂も今日じゃなくて明日まとめて持ってくればいいのにわざわざ誰かに頼むなんて面倒なことをしたせいで迷惑をかけて」
その声音から申し訳なさを感じる。
そんな結斗の姿に2人は一瞬顔を見合わせ、シンクロをしているように一斉に首を振る。
そして2人は本来の目的であった届け物を渡す。
それをか細い手で受け取り、微笑む。
そうして結斗はもう一度有り難うと言葉を発する。そのあと2人は結斗に見送られ、櫻澤家をあとにした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…