美香が、門田さんに青いカッパを着せ、頭に作り物の人間のヘルメットを被った人形を被せていた。



足には長いブーツを履かせていた。




かなり奇妙だが走っていれば人間に何とか見えるだろうと思えた。




秋が近付いているのか夜の空気が涼しかった。




走るのは、美香が考えた結果なるべく夜だけにしようと言う事になった。




北海道へ渡るフェリーには、ばれたらマズイという事から美香のツーリング仲間の知り合いが、青森から訳有りの人間を乗せてる漁船を紹介してくれたそうだ。




僕は、それ、怪しくないかと聞くと美香は、趣味でそういう事を面白がってやってる人で不義理は、絶対しないと評判の人だと話してくれた。




携帯を掛けて「剣の会」とだけ言えばOKだそうだ。




そのツーリング仲間は、どんな人か聞くとまだ若い秋山と言う男で最近バイクに本格的に乗り始めたらしかった。