「お~っ、あやめ。久しぶりじゃのう。元気にしておったか?」

今、あやめの家には、あやめのおじさんが、O県からはるばる新幹線で、S県にあるあやめの家まで来ていた。
暇だったあやめは、丁度良い暇つぶしが出来ると喜んだ。

ただ、いつもは三泊ぐらいしていくおじさんも、今日は急用で立ち寄っただけであった為、今からすぐ帰る所なのだと言う。

半年ぶりだから、もっとゆっくりしていけば良いのにとあやめは言ったが、本当の本当に急用でよっただけらしい。
ただ、近ければ二週間後にも、例の様に三泊しにあやめの家に来るらしかった。

帰る時に、おじさんがあやめに言った。

「それにしても、いつ頃からかは知らんが、あやめは、泣かん様になったなあ。小さい時はいつも、おじさんが帰る時、帰らないで、帰らないでって、おじさんの手を引っ張って泣いたものじゃが。」

それはそうだろうと、あやめは思った。