夜は好きだ。 手足に闇を纏えば、母の腹にいるかのような絶対の安心感と静かで小さな落ち着きを手に入れられる。 己が内を白昼に曝されることはない。 だが、夢は嫌いだ。 奈落に突き落とされるような浮遊感。そして、何処まで逃げようとも全身から滴る罪は、断じて己を赦そうとはしない。 愛し、憎んだ過去を眼前に運んでくる。