「あのっ…そのっ…」 いざとなると、上手く言い出せなくなる。 「…昨日、兄貴にあった?」 フェンスにもたれかかりながら、そう聞いてくる。 「うん…。」 「じゃあ…聞いたよな、俺のこと。」 「うん…。 ね、樹…私…樹には無理してほしくないよ…」 そう言うと少し悲しそうな顔をした樹。 「ゴメン…」 そう言って屋上を去っていく樹。 私は黙ってその後ろ姿を見送った。