レベッカ





「ごめんね、こいつ愛想悪くて。うち男所帯だから、同年代の女の子と話慣れてないんだよ」
「やっぱり女の子って少ないんですか?」
「いるにはいるけどね。みんなこんなんで、女っ気のカケラも」
「えぇー、すごく綺麗なのに、勿体ないです」
「、……あっつっ」


その一言に戸惑って、また熱いのを忘れてカップに口を付けてしまう。
二人が小さく笑った気配がして、アレンは気まずそうにスプーンを持った。

ちらりと目を上げて向かいを伺うと、ロイは一瞬合った目線を外して、ウエイトレスに笑いかける。


「どこが? ほんとおっかないよ、この子。マシンガンだからね」
「え? ピースフォースのマシンガンって……もしかして、あの?」
「“あの”?」
「去年の検挙率のトップは女の人だったって、有名なんですよ?」
「そうなの? へぇ……」


アレンは耳に入ってくる会話にうまく参加することもできず、所在なさげに黙々とスプーンを口に運ぶしかなかった。

実際は、町で自分が有名だということも初耳だし、器物破損の常習犯としてではなく、ちゃんと治安維持の方で知られていたことに、安心もしていたのだが。