レベッカ




身体中の至るところに包帯が巻いてあるせいで暑いのか、アレンは人目も気にせず薄着で過ごしている。
ロイが「上着くらい着なよ、一緒にいる俺が目立っちゃうじゃん」なんて言うくらいだ。

タンクトップの肩や胸元にはあちこちに包帯やガーゼが覗いているし、ショートパンツの裾からも、両足の生々しい手当てが見える。


それ以外でも、アレンの肌はどこもかしこも細かい傷だらけなのだ。

アレンは、ウエイトレスの視線を感じて、思わず彼女の口許に添えられた白い手を見てしまった。
若い女の子らしく、きめ細かで瑞々しい肌だ。

つい無意識のうちに比べてしまっていたアレンは、何も言わずに、手渡された松葉杖を握ることしかできなかった。

ロイが口を開いて、フォローに回る。


「気にしないでね、それ、見た目すごいけど」
「あ……大丈夫、なんですか……?」