レベッカ




ロイの頭脳と狙撃の腕ならば、どちら側についても損はないことはわかっている。
エド派につこうがマルク派につこうが、それなりの立場と権力は得られるだろう。

ただ、エド派ならば、同じ地位には必ずアレンがいることになる。
マルクはそこを突いて来るのだ。


(やらしー奴……)


そう思いながらも、アレンの下がった眉尻を見ると、本当のことを言う気にはなれなかった。
自分を引き合いに出してロイの自尊心を擽るような真似をされていると、アレン本人には知られたくないと思ったのだ。

ロイは、にこりと口許だけで笑う。


「別に。俺がどっちにつくか気になってるだけじゃない?」
「そう? ならいーけど……」
「心配しなくても、俺はあくまで中立だって」