レベッカ





「……ロイの方はどうなんだよ」
「え?」


そんなことを考えていたからか、アレンの問いかけが唐突に思えて、ロイはぎくりと身を強張らせた。
アレンは訝しげな顔をしながらも、「だから、」と続ける。


「最近、よくマルクに絡まれてんだろ」
「あ、あぁ……それね」
「大丈夫なの。なんか言われてんのか」


心配そうに言うアレンに、ロイは一瞬、言葉を詰まらせた。

実際のところ、アレンとは犬猿の仲だと思われているロイに、声をかけてくるマルク派の人間は、少なくない。
ロイはアレンを蹴落としたがっている、と思われているのだ。

マルク自身もその噂に疑いを持っていないようで、実はロイは、マルクからあからさまに『自分側につけ』という誘いを受けていた。