「体の一部だけ……んー」
眉を寄せて考え込んでいたロイだったが、不意に「あ」と声を上げた。
何の気なしに周りを眺めていたアレンは、向かいの席へと視線を戻す。
「そーか、アーミーと同じだ」
「え? なにが?」
「俺たちだって、体内で弾丸作って、指先だけ銃口にして撃てるでしょ。だったら超音波ができてもおかしくねーかもって」
「あぁ、……そっか」
アレンは、自身の指先をじっと見る。
普段当たり前のようにここから発射している弾丸だが、もちろん銃器の能力ではないアーミーはそんなことはできないし、その弾も無尽蔵ではなくて、確実に体内から出たものだ。
ロイやアレンのような銃器の能力持ちは、それをアーミーの“第一形態”のようなものだと認識しているが、この能力を持たない人間からすれば、その最初の段階でさえ不思議なものなのだろう。
要は、彼らにとっての、ビースティーと同じように。


