あいつの一撃は、骨にまで届く。
それを身を持って知っている二人にとってそれは、さっきの旅人の男に泥棒に入っている瞬間を見つかることと同じくらい、恐ろしいものだった。
「あ……、」
アレンの思考が、瞬間止まる。
真っ白になった頭が冴えた時、彼女は、右腕のマシンガンを携え、大男の前に踊り出していた。
「そいつから離れろッッ!!」
アレンのマシンガンの大きさに、さすがの大男も一瞬怯む。
その隙に二人の間に割り込みアレンは、銃口をまっすぐ大男の腹へ向けた。
背後では、立ち上がったロイが、「お前……っ」と呟く。
(レベッカごめん、加減する……っ!)
アレンは、引き金を引いた。


