ロイが走りながら、銃身を振り回す。 図体の大きさのわりには身のこなしの軽い大男は、体を反らして避けるが、追いかける足は一瞬止まることになる。 それを繰り返してなんとか撒こうという考えだったのだが、ロイの足が一瞬だけ、もつれた。 大男はその隙を逃さず、ライフルの銃身を掴んで、力任せに振り回す。 「ロイッッ!!」 大男はその声に、一瞬アレンに気を取られたようだか、すぐに投げ飛ばされ転がっているロイの方へ向かった。 右腕を振ると、じゃきん、と音をたてて、仕込み警棒が伸びる。