レベッカ




アレンは自分が倒した男たちを眺めながら、舌打ちをした。


「許せねぇ……こいつらも、ハリーも、マルクも」
「ねぇ、すぐに戻って報告した方がいいんじゃないの? 他の隊もどうにかなってるのか、気になるし」
「そうですね……行きましょう、アレン」
「ロイ、立てるか」
「あ、うん」


ニラが差し伸べた大きな手に捕まる。

打ち身や変に捻ってしまったところが痛むが、不幸中の幸いというべきか、あれだけ殴られたのにも関わらず、骨にまで響くような怪我はないようだ。
ハリーが動揺して撃った弾が脇腹を少し抉ったくらいで、出血も思ったほどない。

これは痣が消え次第また出動に駆り出されるだろうな、と、ロイが苦笑しながら立ち上がった、その時だった。