レベッカ




「アレンっ!!」


ロイは、思わず叫んでいた。
空中で、ロイを振り返る。

――ちゅいんっ、と甲高い音がして、アレンが無理矢理に仰け反った。

着地しざまに、下でナイフを構えていた男を、鉄板の床に叩き付ける。

そして地面に降りたアレンに襲いかかろうと待ち構えていた一人が、脇を押さえて倒れ込んだ。
跳ね返った弾の餌食になったのだ。

しかしハリーは銃を降ろす素振りも見せず、挙げ句、倒れた味方たちに向かって叫んだ。


「おい!! 邪魔だよ、お前ら!!」


アレンがその声に一瞬、目を見開いた。

それからくしゃりと顔をしかめて、背後に迫っていた男の首元に、爪先を叩き込む。
それが、最後の一人だった。