レベッカ




なにが起きたのか、誰も理解できていないような沈黙が訪れた。

ハリーはただ口をぽかんと開けて、情けなく秒殺された男たちを見ている。

幾人かの隊員の視線が、ハリーに向いた。
マシンガンさえ封じれば敵じゃないんじゃなかったのかよ、そう言いたげな目だ。

ロイは、溜め息混じりに口を開いた。


「……掃射しか能がないなんて、本気で思ってたの?」
「……いや……嘘……だろ、こんな」
「MY(マシンガン・ヤード)、舐めんな」


くしゃりと顔を歪めて、アレンが吐き捨てる。
彼女がふんと鼻を鳴らした途端に、隊員たちのあちらこちらから、抗議の声が上がりはじめた。


「おい……聞いてないぞ、こんなの」
「誰だよ、アレンは撃てなきゃただの女だって言ったの」
「ハリーさんだ」
「ハリーさんだろ」
「ガザたちが瞬殺だぞ、おい」
「冗談じゃねぇよ……あんなの相手にしろっつうのかよ」


ハリーは我に返ったように、呟く隊員たちを見渡した。

そして、手にした拳銃を見る。