事が起きたのは、その日の午後だった。
「アレン! ロイを見なかったか?」
リハビリ中のアレンのところへ来たニラの第一声に、眉を寄せた。
「なに、知るわけないじゃん」
「うっそー、絶対ここだと思ったのに……」
続いて来たナイジェルとキュウが、息を切らしている。
どうやら、ロイを探し回っているらしい。
「経理でもアレンのところでもないとなると……一体どこに」
「ちょっと待て、おかしくない? なんであたしのとこにくんの」
さらに訝しげな顔で言うが、彼らのうちの誰も、それを妙に思ってはいなかったようだ。
逆に不思議な顔をされて、アレンは戸惑う。


