レベッカ





(……首、細い)


ロイは、さっきからほとんど目が合わないアレンの横顔と、意外なほどに華奢な体を眺めていた。

ポニーテールにした長い髪が風で煽られて、時々白いうなじがあらわになる。
細くて柔らかそうな後れ毛と、片手で絞められそうなほど細い首。

それだけではなかった。
多分、傍目には全く変わらない、ロイにしか分からないほど些細に、最近のアレンは女らしくなった。

いつまでも無骨で粗野でがさつな奴だと、思っていたのに。
いつのまにか、どこを触っても柔らかくて、いい匂いのする、正真正銘の“女の子”になっていたのだ。

その変化が誰のためなのかと考えれば、答えは一人しかいない。
それをまともに意識してしまっていて、そしてそれを自覚すらしていることが、なんとなく悔しかった。