そんなことがあってから、十日ほど経った日のことだ。

アレンが負傷してから、もう三週が過ぎていた。


傷口は塞がったが、今下手に処置を間違って皮膚に炎症でも起こせば、治りも遅いし、痕が消えなくなるらしい。
この間、ロイの手を借りずに一人で長い距離を歩いた日も、結局夜になって熱が出てしまったのだ。

なんでもいいから体を動かしていたいのに、動けばロイやニラたちに怒られる。
アレンは、回復してきた体力を持て余していた。