無限郷(ユークロニア)、アラン地方、イル大陸西部の海上に位置する、小さな島国。
アラン地方屈指の無法地帯として有名な地、シガテラ島だ。


法律は破るためにある。

そんな悪ガキのような文句がまかり通る街で、常に頂点に君臨し続ける、ある組織があった。


私設警察組織、『ピースフォース』。


街の秩序と、いわゆる“弱者”を守るために作られた、治安維持部隊だ。

だが、ピースなんてほのぼのとした名前とは裏腹に、その実態は、力ずくで反逆者たちを押さえ込む脳筋集団。
犯罪なんてあまりに日常茶飯事、捕まえた人間をいちいち監獄にブチ込んでいたら、あっという間に牢屋の数が足りなくなる。

ならば、その場で制裁してしまえ。

それが犯罪の抑制にも繋がると(要は、見せしめだ)主張し、彼らは街中での暴力行為、理由のある破壊行為を、正当化された。
そうして、ただ恐怖のみで無法者たちを押さえ込んできたのだ。

設立された当初こそ穏便な犯罪検挙を優先していたが、もはや『ピースフォース』なんて平和な正式名称では、誰も、隊員でさえ呼んでいない。
その反撃する間も与えない攻撃っぷりからついた通称は――

『マシンガン・ヤード』。



そこでツートップとして犯罪者検挙に勤める、二人の男女がいた。