危なっかしい足取りで店を出て行くアレンの後ろ姿を見ながら、ロイは小さく溜め息を吐いた。
きっと追いかけて行っても、絶対にロイの手は借りようとしないだろう。
そうとわかってはいるが、ロイは残りのホットケーキを二口で詰め込み、すっかりぬるくなったコーヒーで流し込んで、急いで席を立った。
松葉杖にようやく慣れてきたとはいえ、アレンは両太股を酷く負傷している。
やはりちゃんと立って歩けるほどの力は入らないようで、歩く速度は道草を食いながらの子供と変わらないくらいだ。
ロイは後ろ姿がやっと見える、だが何かあったらすぐに駆け付けられる程度の距離を開けて、同じ帰路を辿っていた。


