水面に輝く光の粒をちりばめたような神の瞳が、月夜の姿を映す。
今では月夜にも、同じ光がそこに宿っている。
魅力的で蠱惑的な神の力を示すものであるそれは、人間には脅威だが、同士であれば逆の効果が絶大だ。
月夜は睨まれた蛙のごとく固まった。
「あの刻は云わなかったが……お前を見ていると、あの子の色を感じる。やはり、魂は失なわれてはおらぬ……」
帝釈天の細くて透明感のある指先が、月夜の頬をすべる。
愛おしむようなその仕草が、鼓動を煽った。
「帝釈天……貴女は――」
シッと人指し指をたて、月夜から言葉を奪う。
「その魂から、望むものを取り戻すのは容易いが……お前という存在もまた、この様に面白いと思えばこそ、それが叶うことを躊躇うわたくしなのじゃ」
――それはどういう…。
きらきらの瞳がジリジリと近づいてくる。
固まったまま、身体を斜めにしながら避けていた。
「……なぜ逃げる?」
ガシッと肩を掴まれ、それ以上どうにもならなくなり、思わず視線をおよがせた。
――なんだかこの状況、いやに既視感たっぷりなんだけど。
「月夜……わたくしのものになれ」
「丁重にお断りします」
「わたくしが誰なのか、よもや知らぬとは云うまいな? そのわたくしが云うておるものを、お前は蔑ろにする気かっ」
帝釈天の気迫に、思わずその目を見てしまう。
「いえ…そんなことでは…けして…」
ふたたび目がおよいだ。
どうすればこの窮地から逃げ出せるのか、月夜は必死に頭をめぐらせていた。
――こんなことをしている場合ではないのに。
先刻までの動揺は、すでに沈静化しつつあった。
今では月夜にも、同じ光がそこに宿っている。
魅力的で蠱惑的な神の力を示すものであるそれは、人間には脅威だが、同士であれば逆の効果が絶大だ。
月夜は睨まれた蛙のごとく固まった。
「あの刻は云わなかったが……お前を見ていると、あの子の色を感じる。やはり、魂は失なわれてはおらぬ……」
帝釈天の細くて透明感のある指先が、月夜の頬をすべる。
愛おしむようなその仕草が、鼓動を煽った。
「帝釈天……貴女は――」
シッと人指し指をたて、月夜から言葉を奪う。
「その魂から、望むものを取り戻すのは容易いが……お前という存在もまた、この様に面白いと思えばこそ、それが叶うことを躊躇うわたくしなのじゃ」
――それはどういう…。
きらきらの瞳がジリジリと近づいてくる。
固まったまま、身体を斜めにしながら避けていた。
「……なぜ逃げる?」
ガシッと肩を掴まれ、それ以上どうにもならなくなり、思わず視線をおよがせた。
――なんだかこの状況、いやに既視感たっぷりなんだけど。
「月夜……わたくしのものになれ」
「丁重にお断りします」
「わたくしが誰なのか、よもや知らぬとは云うまいな? そのわたくしが云うておるものを、お前は蔑ろにする気かっ」
帝釈天の気迫に、思わずその目を見てしまう。
「いえ…そんなことでは…けして…」
ふたたび目がおよいだ。
どうすればこの窮地から逃げ出せるのか、月夜は必死に頭をめぐらせていた。
――こんなことをしている場合ではないのに。
先刻までの動揺は、すでに沈静化しつつあった。

