「兵を城門前に固め、術者は迎撃準備! 絶対に王宮へは脚を踏み入れさせるなっ」
女王の号令に、臣たちが慌ただしく散っていく。
ただごとではない空気が、あっという間に王宮を飲み込んだ。
「キノエ! 月夜を部屋へ。すぐにキノトの状況を確認、合流して、もしあの子になにかあれば……わかるな?」
気色ばむ女王の様子に、青ざめたキノエが狼狽えながらも微かに頷いた。
その話を訊けば、月夜でさえその意味を察することはできた。
つまりこの騒ぎは、何者かが王宮に攻撃を仕掛けてきたか、侵入しようとしている。
それは人以外のもので、女王はイシャナに関わりがあると考えたのだ。
「まさか……魔物が?」
月夜はキノエの誘導をふりきり、玉座から降りた女王の後を追った。
途中その姿を見失い、慣れない宮中をぐるりと回って、ようやく外へ出ることができた。
その刻にはすでに、女王の指揮のもと、術者の総攻撃がはじまっていた。
「月読殿、ここは危険です。はようこちらへ…」
キノエが月夜の腕を引いた。
しかしこんな状況で、自分だけ逃げ出すことなどできない。
「いったい何が起きたのです? あの方は何と戦っておいでなのですか!」
月夜の迫力に圧され、キノエが躊躇いつつも重い口をひらく。
「魔物です。せやけど心配あらしまへん。我が国の術者は魔物退治の精鋭、すぐに終わりますよって」
「イシャナ……イシャナはどうしたのですか?」
キノエはハッとして口許に手をやった。
困ったように視線をさ迷わせると、すがるような目をして月夜を見た。
「まさかまた、姿が見えないのでは…」
月夜は、城門で繰り広げられている戦いの渦中にある存在へ気を飛ばした。
女王の号令に、臣たちが慌ただしく散っていく。
ただごとではない空気が、あっという間に王宮を飲み込んだ。
「キノエ! 月夜を部屋へ。すぐにキノトの状況を確認、合流して、もしあの子になにかあれば……わかるな?」
気色ばむ女王の様子に、青ざめたキノエが狼狽えながらも微かに頷いた。
その話を訊けば、月夜でさえその意味を察することはできた。
つまりこの騒ぎは、何者かが王宮に攻撃を仕掛けてきたか、侵入しようとしている。
それは人以外のもので、女王はイシャナに関わりがあると考えたのだ。
「まさか……魔物が?」
月夜はキノエの誘導をふりきり、玉座から降りた女王の後を追った。
途中その姿を見失い、慣れない宮中をぐるりと回って、ようやく外へ出ることができた。
その刻にはすでに、女王の指揮のもと、術者の総攻撃がはじまっていた。
「月読殿、ここは危険です。はようこちらへ…」
キノエが月夜の腕を引いた。
しかしこんな状況で、自分だけ逃げ出すことなどできない。
「いったい何が起きたのです? あの方は何と戦っておいでなのですか!」
月夜の迫力に圧され、キノエが躊躇いつつも重い口をひらく。
「魔物です。せやけど心配あらしまへん。我が国の術者は魔物退治の精鋭、すぐに終わりますよって」
「イシャナ……イシャナはどうしたのですか?」
キノエはハッとして口許に手をやった。
困ったように視線をさ迷わせると、すがるような目をして月夜を見た。
「まさかまた、姿が見えないのでは…」
月夜は、城門で繰り広げられている戦いの渦中にある存在へ気を飛ばした。

