「それは…どのような…」
女王は目を細め嘆息する。
月夜はまるで責められたかのような思いにかられた。
「王族の血や……未来永劫この国を治めてゆける、確かな血族や」
ナーガの王族が呪われている、というのはイシャナの話だ。
生まれてくるのは女ばかり、男が生まれても、病で死ぬか魔物になってしまう。
そんな宿命のもとに生まれたイシャナは、王宮から引き離され、自身の素性も知らされず育ったという。
「それはこれからイシャナ王が継いでゆくものです」
今はまだ幼いままとはいえ、彼は間違いなく王として立つことになるだろう。
だが、月夜にはひとつ気になることがあった。
――イシャナの魂の半分は神の性質を帯びている。魔物として覚醒することはなくても、人としての生を彼がどこまで生きられるのか…。
「そう云いきれるのはなぜか……教えてくれるか?」
その言葉の重みに、月夜は真実だけを伝えられたらと思った。
しかし今回のガルナでの出来事を明かすことは、他国に無用な火種をまくだけである。
月夜にも、これ以上神が人と関わることを、到底よいことだとは思えなかった。
「イシャナ王は魔物から私を救って下さいました。いまもこうしてナーガを救うために奇蹟を起こされている。これ以上なにを疑う必要がありましょうか?」
女王が黙考するのを、月夜はじっと耐えていた。
決して自分の口から神との関わりを露顕する訳にはいかない。
たとえなにを知られているにしてもだ。
――あくまでも、しらを切りとおす。
「……そうか。あの子が奇蹟を起こしたのは確かや……では云い方を変えよか。月夜……同盟を受け入れるかわりに、その身をナーガに捧げよ」
女王は目を細め嘆息する。
月夜はまるで責められたかのような思いにかられた。
「王族の血や……未来永劫この国を治めてゆける、確かな血族や」
ナーガの王族が呪われている、というのはイシャナの話だ。
生まれてくるのは女ばかり、男が生まれても、病で死ぬか魔物になってしまう。
そんな宿命のもとに生まれたイシャナは、王宮から引き離され、自身の素性も知らされず育ったという。
「それはこれからイシャナ王が継いでゆくものです」
今はまだ幼いままとはいえ、彼は間違いなく王として立つことになるだろう。
だが、月夜にはひとつ気になることがあった。
――イシャナの魂の半分は神の性質を帯びている。魔物として覚醒することはなくても、人としての生を彼がどこまで生きられるのか…。
「そう云いきれるのはなぜか……教えてくれるか?」
その言葉の重みに、月夜は真実だけを伝えられたらと思った。
しかし今回のガルナでの出来事を明かすことは、他国に無用な火種をまくだけである。
月夜にも、これ以上神が人と関わることを、到底よいことだとは思えなかった。
「イシャナ王は魔物から私を救って下さいました。いまもこうしてナーガを救うために奇蹟を起こされている。これ以上なにを疑う必要がありましょうか?」
女王が黙考するのを、月夜はじっと耐えていた。
決して自分の口から神との関わりを露顕する訳にはいかない。
たとえなにを知られているにしてもだ。
――あくまでも、しらを切りとおす。
「……そうか。あの子が奇蹟を起こしたのは確かや……では云い方を変えよか。月夜……同盟を受け入れるかわりに、その身をナーガに捧げよ」

