「信……頼」
――魔物がボクに?
「…っそんなわけあるか! あいつはボクを喰うために…」
月夜は思いきり首を振る。
『……そなたは面白い。これが天然というやつか?』
「なんの話だっ」
『話がそれた。云った通り、わたしたちと只人とでは魂の質が違う。融合したものをもとには戻せない。無理矢理にでも引き離せば……やがてどちらも消滅する』
「そんな。じゃあ……十六夜は……」
『すまない。そなたの云う通り、わたしがそれを止められたはずだ。そもそも帝が二つに分かれたのは、わたしの力が及ばなかったため……月夜。わたしはもうすぐ消滅する』
「消滅……?」
須佐乃袁は儚く笑みを湛える。
それはすぐ哀しみに沈んだ。
『この悠久を、わたしは自らの命をもってガルナを守護してきた。それももう限界……しかし、いま天がわたしの罪を許したとして、国を見捨てることなどできない。堕ちたこの地で滅ぶのが本望だ』
月夜は愕然と須佐乃袁を見つめた。
「神が……滅ぶ? あなたがいなくなったら……なんという。では結局、なにもかも無駄……ガルナは滅ぶ。遅かれ早かれ、誰にも止められない」
絶望に震える月夜の肩を、須佐乃袁はそっと抱き寄せた。
『わたしはずっと考えていた……本当は早くに気づくべきだったのではと。わたしは自身を守りたいがために、人智の及ばない力で国を閉じ込めてきた。それがガルナの鎖国化を招き、大いなる繁栄を妨げたのではないか? ガルナには、神は必要ない……と』
「ガルナはよい国だ! どの大国よりも豊かで穏やかだ。確かに、侵略を恐れて満足な国交も避けてきたせいで、繁栄にも限界はあった。でも民は誰一人不満などなかったはずだ。それはあなたがいたから……あなたがこの国を守って来たからだ!」
――魔物がボクに?
「…っそんなわけあるか! あいつはボクを喰うために…」
月夜は思いきり首を振る。
『……そなたは面白い。これが天然というやつか?』
「なんの話だっ」
『話がそれた。云った通り、わたしたちと只人とでは魂の質が違う。融合したものをもとには戻せない。無理矢理にでも引き離せば……やがてどちらも消滅する』
「そんな。じゃあ……十六夜は……」
『すまない。そなたの云う通り、わたしがそれを止められたはずだ。そもそも帝が二つに分かれたのは、わたしの力が及ばなかったため……月夜。わたしはもうすぐ消滅する』
「消滅……?」
須佐乃袁は儚く笑みを湛える。
それはすぐ哀しみに沈んだ。
『この悠久を、わたしは自らの命をもってガルナを守護してきた。それももう限界……しかし、いま天がわたしの罪を許したとして、国を見捨てることなどできない。堕ちたこの地で滅ぶのが本望だ』
月夜は愕然と須佐乃袁を見つめた。
「神が……滅ぶ? あなたがいなくなったら……なんという。では結局、なにもかも無駄……ガルナは滅ぶ。遅かれ早かれ、誰にも止められない」
絶望に震える月夜の肩を、須佐乃袁はそっと抱き寄せた。
『わたしはずっと考えていた……本当は早くに気づくべきだったのではと。わたしは自身を守りたいがために、人智の及ばない力で国を閉じ込めてきた。それがガルナの鎖国化を招き、大いなる繁栄を妨げたのではないか? ガルナには、神は必要ない……と』
「ガルナはよい国だ! どの大国よりも豊かで穏やかだ。確かに、侵略を恐れて満足な国交も避けてきたせいで、繁栄にも限界はあった。でも民は誰一人不満などなかったはずだ。それはあなたがいたから……あなたがこの国を守って来たからだ!」

