「血迷うたか、ナーガ王。それでは己が悲願を捨てることになろう? 他国の王のために、お前はナーガを見捨てるつもりか」
「そうやない!……俺かてどうしたらええかわからへん……ただ、なんや気持ち悪いわ。神やからゆうて、人間相手に上から物云う権利がどこにありますの?」
帝釈天は凍てつくような視線で、黙ってイシャナを見下ろしている。
「世界が……国が、人種が違う? やから見下して、勝手に滅ぼしてええて? それやったら、神も人も同じやないですか!」
イシャナは苦痛をにじませ云い捨てた。
「同じではない……」
帝釈天は静かに口を開く。
「大陸が四つ国として別れてより、永きに渡り我らが同胞を虐げてきた罪は、本来なら国ひとつ滅んだくらいでは贖えぬ。これはお前たちの祖が犯したことへの、当然の報いじゃ」
「それやったら、ガルナは関係あらへんでしょう! この国は神を守るために神自信が創られたんや」
「そうだ。守り、そして天に還すためにな」
「――月夜殿!」
帝釈天を追って、ようやく姿を見せた天照が、こちらに駆け寄った。
一瞬、脚を止めて十六夜を見る。
冠も顔布もない彼を、それでもすぐに帝だと認識したのか、その前に膝まずくと「拝顔の無礼お許し下さい」と低頭した。
それからすぐに帝釈天へと、進み出る。
「帝、私が神を引き付けます。そのうちに暁天宮へ!」
云われて戸惑う十六夜の背を、月夜はまずその身を守るために押した。
「行くんだ、十六夜。ボクもなんとかして神を止めるから、それまで隠れているんだ」
しかし十六夜は月夜の手を掴んで動こうとしない。
「だめじゃ、そなたも一緒でなければ余はどこにも行かぬ!」
「そうやない!……俺かてどうしたらええかわからへん……ただ、なんや気持ち悪いわ。神やからゆうて、人間相手に上から物云う権利がどこにありますの?」
帝釈天は凍てつくような視線で、黙ってイシャナを見下ろしている。
「世界が……国が、人種が違う? やから見下して、勝手に滅ぼしてええて? それやったら、神も人も同じやないですか!」
イシャナは苦痛をにじませ云い捨てた。
「同じではない……」
帝釈天は静かに口を開く。
「大陸が四つ国として別れてより、永きに渡り我らが同胞を虐げてきた罪は、本来なら国ひとつ滅んだくらいでは贖えぬ。これはお前たちの祖が犯したことへの、当然の報いじゃ」
「それやったら、ガルナは関係あらへんでしょう! この国は神を守るために神自信が創られたんや」
「そうだ。守り、そして天に還すためにな」
「――月夜殿!」
帝釈天を追って、ようやく姿を見せた天照が、こちらに駆け寄った。
一瞬、脚を止めて十六夜を見る。
冠も顔布もない彼を、それでもすぐに帝だと認識したのか、その前に膝まずくと「拝顔の無礼お許し下さい」と低頭した。
それからすぐに帝釈天へと、進み出る。
「帝、私が神を引き付けます。そのうちに暁天宮へ!」
云われて戸惑う十六夜の背を、月夜はまずその身を守るために押した。
「行くんだ、十六夜。ボクもなんとかして神を止めるから、それまで隠れているんだ」
しかし十六夜は月夜の手を掴んで動こうとしない。
「だめじゃ、そなたも一緒でなければ余はどこにも行かぬ!」

