「その……姿は……どうして……」
ひとつひとつ、確かめるように呟きながら、月夜は十六夜の姿を目に焼きつける。
下肢に届く流れるような絹糸は、月夜とそっくり同じ黄色で、その瞳も鮮やかな赤い色をしていた。
「同じであろう、そなたと。肌の色だけは、ガルナの血が濃くてな。ここが神に近い者とそうでない者との違い……ということかもしれぬ」
そう云って、月夜によく似た顔をした十六夜が、クツクツと笑う。
不思議だった。
まるでもう一人の自分がそこにいるようで。
それは、月夜が恐れていた闇の具現化。
持って生まれた己が性質――。
「わからない……どうして、十六夜とボクが同じなんて……じゃあ、王族の血っていうのは……」
「17季前、余とそなたは別の場所で、同じ刻に生を受けた。余はガルナの人間から、そなたは神から。前帝は二人の神と契りを交わしたのだ」
「帝が神と契り……ボクが、神から生まれた? ボクは……魔物じゃ、ないのか」
十六夜が興奮を隠さずに声をあげる。
「なにを云う! そなたはどう見ても神の魂を受け継いでおるではないか。髪も瞳の色も、ただの人間にはありえぬ美貌も。そしてこんなにも、余を惹き付ける……その輝き」
動けないままの月夜の唇に、十六夜のそれが重なる。
拒絶することも出来ず、あまりの衝撃に視界を閉ざすしか術がなかった。
自分が帝と神の子であるなど、荒唐無稽としか思えない。
仮にそうだったとして、神の性質など塵に等しい月夜が神に近いと云えるだろうか?
恍惚とした表情で顔をあげた十六夜は、苦悶の表情をした月夜を満足げに見下ろした。
「ようやくそなたを手に入れられる……この刻を、待っていたぞ!」
月夜の魂は、否応なしに引きずり出された。
ひとつひとつ、確かめるように呟きながら、月夜は十六夜の姿を目に焼きつける。
下肢に届く流れるような絹糸は、月夜とそっくり同じ黄色で、その瞳も鮮やかな赤い色をしていた。
「同じであろう、そなたと。肌の色だけは、ガルナの血が濃くてな。ここが神に近い者とそうでない者との違い……ということかもしれぬ」
そう云って、月夜によく似た顔をした十六夜が、クツクツと笑う。
不思議だった。
まるでもう一人の自分がそこにいるようで。
それは、月夜が恐れていた闇の具現化。
持って生まれた己が性質――。
「わからない……どうして、十六夜とボクが同じなんて……じゃあ、王族の血っていうのは……」
「17季前、余とそなたは別の場所で、同じ刻に生を受けた。余はガルナの人間から、そなたは神から。前帝は二人の神と契りを交わしたのだ」
「帝が神と契り……ボクが、神から生まれた? ボクは……魔物じゃ、ないのか」
十六夜が興奮を隠さずに声をあげる。
「なにを云う! そなたはどう見ても神の魂を受け継いでおるではないか。髪も瞳の色も、ただの人間にはありえぬ美貌も。そしてこんなにも、余を惹き付ける……その輝き」
動けないままの月夜の唇に、十六夜のそれが重なる。
拒絶することも出来ず、あまりの衝撃に視界を閉ざすしか術がなかった。
自分が帝と神の子であるなど、荒唐無稽としか思えない。
仮にそうだったとして、神の性質など塵に等しい月夜が神に近いと云えるだろうか?
恍惚とした表情で顔をあげた十六夜は、苦悶の表情をした月夜を満足げに見下ろした。
「ようやくそなたを手に入れられる……この刻を、待っていたぞ!」
月夜の魂は、否応なしに引きずり出された。

