玉座の後ろ、その壁一面に塗られた幾何学的な色には、最多なる王の力が印されている。
帝の背に、五芒星を模した色がさらに大きな五芒星を現していた。
その真ん中に十六夜は手を添えて、月夜を振り返った。
「このようなことになる前に、そなたにはすべてを話しておきたかった」
不意に壁が五稜星に輝いた。
どこからともなく風が髪をさらう。
行方を追って部屋を見渡した月夜は、中央に現れた石段に目を瞠った。
「あれは入り口じゃ。あの向こうに、そなたを連れてゆくぞ」
十六夜は月夜の腕をとると、先導し石段に登った。
「十六夜……これはいったい……」
いきなりのことに狼狽える月夜を引き寄せ、十六夜は聞き慣れぬ呪を口ずさんだ。
「……こ、ここは?」
まばたきの間に、視界が別の場所を映した。
暗くてよく見えないが、そこがとてつもなく広い部屋であることが、声の反響でわかった。
と、他に人の気配がないのに、部屋に火がおきた。
まるで導くように、転々と向こう側へ延びていく。
おぼろに浮かび上がる鮮やかな壁画は、何かを物語るように描かれ、先へと続いていた。
「神の寝所……とは、よう云ったものじゃ。おそらくは、このことを知っておった者が残した名じゃな」
十六夜のつぶやきに、月夜はここがどこかを悟った。
「じゃあ、ここには本当に……」
「ガルナ国の祖、朱雀帝を生んだ始まりの神が眠る場所……暁天宮(ぎょうてんきゅう)じゃ」
その高くそびえる天井には、紅に染まる太陽と雲が神秘的に描かれていた。
ガルナは真実、神のつくりあげた国なのだと語りかけてくるようだ。
「暁天宮……神は千季の間、ずっと生きて――」
帝の背に、五芒星を模した色がさらに大きな五芒星を現していた。
その真ん中に十六夜は手を添えて、月夜を振り返った。
「このようなことになる前に、そなたにはすべてを話しておきたかった」
不意に壁が五稜星に輝いた。
どこからともなく風が髪をさらう。
行方を追って部屋を見渡した月夜は、中央に現れた石段に目を瞠った。
「あれは入り口じゃ。あの向こうに、そなたを連れてゆくぞ」
十六夜は月夜の腕をとると、先導し石段に登った。
「十六夜……これはいったい……」
いきなりのことに狼狽える月夜を引き寄せ、十六夜は聞き慣れぬ呪を口ずさんだ。
「……こ、ここは?」
まばたきの間に、視界が別の場所を映した。
暗くてよく見えないが、そこがとてつもなく広い部屋であることが、声の反響でわかった。
と、他に人の気配がないのに、部屋に火がおきた。
まるで導くように、転々と向こう側へ延びていく。
おぼろに浮かび上がる鮮やかな壁画は、何かを物語るように描かれ、先へと続いていた。
「神の寝所……とは、よう云ったものじゃ。おそらくは、このことを知っておった者が残した名じゃな」
十六夜のつぶやきに、月夜はここがどこかを悟った。
「じゃあ、ここには本当に……」
「ガルナ国の祖、朱雀帝を生んだ始まりの神が眠る場所……暁天宮(ぎょうてんきゅう)じゃ」
その高くそびえる天井には、紅に染まる太陽と雲が神秘的に描かれていた。
ガルナは真実、神のつくりあげた国なのだと語りかけてくるようだ。
「暁天宮……神は千季の間、ずっと生きて――」

