ポツリと頬に雫が落ちたかと思うと、次の瞬間にはザァァーーッと降りだす雨。


最悪!本降りになっちゃった!


材料濡らさぬよう両手で抱え込んで、学校まで走る。


滝のように降る雨が、全身に叩きつく。


なんとか学校の下駄箱に到着すると、あっちゃんが立っていた。


「みみ!ごめん、大丈夫!?びしょ濡れ…」

「大丈夫大丈夫。これくらい」


ニヘッと笑ってみせると、あっちゃんは持っていたタオルで頭を拭いてくれた。


結構濡れちゃったな……材料、は無事だ。よかった。


「みみ?本当に大丈夫?顔真っ赤だよ?」

「…え?あー、はは。大丈夫、大丈夫……」


……あれ?なんか、頭がクラクラする。


体がふらついて、バランス上手く取れな……


「…!?みみ!?」


目の前が真っ暗になって、あっちゃんの声を最後に、あたしの意識は途絶えた。