明日目が覚めたら

「無用だなんてそんな。」


あろ-は美しくフッと笑うと、


「私は兄がこの国を継ぐ。

 それが自然で相応しい。

 なのに

 兄上は自分だけが母親が違うことを気にして、

 私に国王の座を渡そうと考えている。」


「アロ-様、私にそのような話は…」


「失礼しました。なかなか相談するような相手に恵まれなくて、

 ついあなたに甘えて余計なことまで話してしまいました。

 ご迷惑でしょうね。」


彫りの深い美しい顔立ちに亜麻色の癖のある髪。


まるで作り物のように美しい人が、優しい笑顔を作る。