明日目が覚めたら

サンドラの瞳がゆらりと揺れ、

そして、前を見定めたようにまた話し始めた。



「しかし、私は幸運だったのです。

 身体を売って商売している店に

 船に乗せられ売られていく途中でした。


 大嵐で船が転覆して、

 皆命からがら岸にたどり着きました。



 わたしは、まだ幼く泳ぐ気力なく浮かんでいた木切れにつかまり

 海を漂っていたところを

 ぐうぜん通りかかった王様の船に拾われたのです。


 王様は、

 こんな身分の低い子供を可愛がって下さり


 『いつか姫が大人になった時そばで支えてくれ』


 と頼まれたのです。


 私は姫を守れる者になるために必死で剣を習い、

 学問も身につけました。


 姫様をお守りし、

 お世話することが私の王への恩返しでもあり

 生きる意味でもあるのです。」