明日目が覚めたら

「奴隷、、?」


焚き火の炎がサンドラの美しい漆黒の髪を、

オレンジ色に揺らめきながら染めていた。

火を絶やさないように数本の木切れをくべてから。


「ご存知でしょうが、この国の国民はとても貧しい。

 国土のほとんどが鉱石のこの国は農地がありません。

 食べるものは他の国から物資を運んでくる商人から買うしかありません。

 しかし、それを買う金は、鉱山で働いて得る僅かな賃金から支払います。

 家族が多い場合、とてもまかないきれるものではなく、

 私の家も、下に妹が出来た時に私は奴隷として売られたのです。

 ほかの国では考えられないことです。


 私は親に売られたのです。11の時でした。」