明日目が覚めたら

「許してくれなんて言えない。

 私があなたを選んで捨てたの。

 この国の王子としてのお前の人生を

 私がユングとすり替えたのだから。」


目を伏せていう王妃に、

アレクは笑って答える。


「真実が分かればそれでいいのです。

 さっきも言いました。私は今幸せなのですから。

 ただ、こんな馬鹿げたしきたりはやめてもらいたい。

 二度と私のような子供が出ないようにして欲しい。」


王妃は大きく頷いて、王を振り返った


「王様。目が覚めましたでしょう?

 あなたが切り捨てようとした息子が

 こんな大きく立派になって、

 アセンデルフの王になるというのです。

 こんなしきたりはイミのないことだと

 アレクが身をもって証明してくれたのですから。」

そう言いながら王妃は泣いていた。


「私とて、お前が誘拐されたと聞いたとき、

 神に感謝した。

 生き延びてくれと思った。

 しかし、それが王妃の仕業だとはな、

 結局私は王としても、

 夫としても、

 父としても失格だな。」


国王は苦笑した。