「ウルル、あそこにいる男。」


「あ、はい。」


「あれが、弟のジェインだ。」


「第2王子の?」


「ああ。あいつは、堅苦しいことが嫌いで、

 こうやって使用人や家来たちと過ごしたがっていて。」


「悪いことではないと思います。」


「姫ならそういうと思ってましたよ。とりあえず紹介しよう。」


「ジェイン。」


「あ、兄上!」


「こちら、ウルル姫、アセンデルフからいらした姫君だ。」


「ああ、婿探し。母上から聞いているよ。

 言っとくけど、兄上は連れてかれては困る。我が国の大事な王だからな。」



「初めまして、ウルルです。

 ご心配なく、そんなつもりはありませんから。」