「何いきなり」
「んー…クラスの子、最近イメチェンする子多くてね。短いのも、ちょっといいなって」


ミィがそんなことを言うから、髪が短いミィを想像してみた。でもうまく思い浮かばなくてやめた。

だいたいみんな切ってるとか、なに。全員で髪型被らせてどーすんだっつー話。


ふわっと舞い降りてきたコーヒーの匂い。

コーヒーがなみなみと入ったマグカップを二つ、ミィの手が机に並べる。

華奢な細い腕。
まるでへし折ってくださいと言わんばかりの。


隣に戻ってきたミィは、さっきと同じ体勢で腰を下ろす。

質問には答えない。答えないで、ミィの長い髪を引く。

そして肩に頭を乗せると、そのまま遠慮せずにもたれかかった。


「…つか、今日マジ疲れた」


吐き出したため息はコーヒーの湯気に混じって、白く濁る。


「仕事…しんどいこと、あったの?」
「あーあのクソ上司、死ねばいいのに」


ストレス発散の矛先を捜すように、右っ側だけ、太ももを撫でる。

少しよれたプリーツスカート。制服ってエロい。
しかもセーラーとか特に。自分が学生の時は全然そんなこと思わなかったけど。


「死ねとか…言っちゃいけないなー豪くん」