でも、言わなきゃ…ここから何も動けない。 今の私には、ゆきの力が必要不可欠なのだ。 「…もし、和樹と、…あいがさ」 「和樹とあい? あぁ、うん」 「……浮気してる、って言ったら、 ゆき…信じる?」 「え」 ゆきは、手に持っていた私が出したクッキーを、目を見開いてポトリと机に落とした。 その顔は、驚きに満ちている。 …きっと、勘の鋭いゆきのことだから、 ――私が言いたいことに、…気づいたのだろう。