ふわふわする。 ふわふわ、ふわふわ、雲の上のように。 クラクラ、ふわふわ。 スッと視界が暗くなり、まぶたを開く。 クラクラ、ふわふわ、まだ夢の世界に浸っていたい気持ちだけれど。 「威鶴!!」 その声は、予想していたものよりも高くて、でも、とても聞き覚えのある声で……。 「よかった、目が覚めて」 「……レイン、さん……?」 そう、これはレインの声。 威鶴の中でよく聞いていた声。 「……紫崎依鶴さんなの?」