*緋色の目の少年 あれ…ここ…どこだっけ? 私は、辺りをキョロキョロ見回す。 ついさっき、シュカさんを振り切ってまで外に出てきたのに、馬車の中で聞いた祥ちゃんらしき声はパタリと聞こえなくなった。 『…私…何のためにここに来たのよ…』 私は、そう呟くとはぁ…と大きなため息をついた。 きっと、今頃、リュウにも心配をかけているだろう。 そう考えるとさらに凹んでくる。 帰ったら…怒られるだろうな…