『リュウ様は、昔の記憶がございませんでしょ?今からその理由をシュカがお話致します……』






そう呟いてシュカは語りだした。








『リュウ様という名前は、私がつけたんですよ?……私がまだ、10代だった頃、あの洞窟の辺りに用事があって訪れた時、森のほうから、泣き声が聞こえてきました…』






シュカがそう話した瞬間、フラッシュバックのようにオレの脳裏にその記憶が蘇ってくる。






『…そうだ…オレは…』






コクリとシュカは、頷いて続きを話し出す。






『…そして、私は泣いている男の子を見つけたんです、それがリュウ様、リュウ様は、自分の本当のお名前め…ましてやどこから来たのかということも…全て忘れていらっしゃいました……だから私が城に連れて帰ったのです』