膨大な妖気の竜巻が、俺を飲み込む。 俺は、龍神剣を構えたまま、リカさんの背中から吹き飛ばされた。 遠のいていく、意識の中……。 鈴の鳴るような、声が聞こえた。 『コウくん』 渚……? 姿は見えない。 しかしそれは、間違いようもなく。 渚の声。 渚の気配だった。 『大丈夫……私が、ついてるよ。 一緒に、がんばろう』 ふわ、と温かい空気が、俺を包む。 そこで俺は、まぶたを開けた。 気を失っている場合じゃない!!