《消え去るがいい!!》 空亡のまわりに集約された、邪悪な妖気は……。 巨大な、竜巻となった。 ぱくりと、口をこちらに向かって開いている。 「俺は、死なない……!!」 人間世界を元に戻すため。 仲間を守るため。 家族の元へ、帰るため。 大切な人と、一緒に生きていくため。 空亡に、俺の声は聞こえたのか、聞こえなかったのか……。 返事は、なかった。 その代わり。 渦の中の赤い瞳が。 くわ、と見開かれた。