リカさんは、俺たちを雅と健太郎の近くに下ろし、人間の姿になった。



「怪我は?」



真っ先に、渚に問いかける。



「なんとか大丈夫……
それより、二人の方が」


「そうね」


リカさんはうなずくと、

ボロボロの二人に、癒しの力を送り始めた。


「お姉さま……」


「この二人は私に任せて。

あなたたちは、空亡を」


リカさんは、笑顔で言った。


「私は、妖と共生していくなんて、御免だから」


「リカさん……」


「大丈夫よ」


リカさんは、きっぱりと言った。


多くの神の反対をふりきって、俺たちのために、来てくれたんだ……。