もうここまできたら、やるしかない。


逃げていても、いずれは滅ぼされてしまうのなら。


俺たちにできる事を、しなければ。



「……よし。行こう」


「おう!

こうなりゃ、死ぬ気で行くぜ!」


「いや、何が何でも生き残る気で行くんだ」


「わかってるよ!

ものの例えだろ!」



雅のツッコミに、健太郎がやり返す。


それを見て苦笑しながら、ばあちゃんが口を開いた。



「恒一……。

全員、必ず帰って来るんだよ」


「ばあちゃん……」


「お前に先立たれでもしたら、

私は天涯孤独になっちまうからね。

そうしたら、誰が介護してくれるんだい」



ずる。


何だそりゃ!



「知るかよ!

今から老人介護施設頼んどけ!」


「はっ、やだね。

ほら、さっさと行って、さっさと帰ってきな!」



ばあちゃんは、俺の背中をバンと叩いた。