純粋に狂おしく愛してる ｰ君が私を監禁した理由（ワケ）ｰ

　桐生さんは突然こんな質問を投げ掛けてきて……一体、どういうつもりなんだろう？答えによっては危害を加えるとか、私を釈放してくれたり……は、ないか、さすがに。


「そうか」


　桐生さんがそう言うと、再び沈黙が訪れた。結局、質問の意図は分からないままだ。

　時折、ちらちらと桐生さんのことを見遣るけれど、やっぱりいつ見ても綺麗な顔立ちや容姿。整いすぎていて、逆に怖いくらいだ。

　桐生さんがこんなにも綺麗な容姿をしているのなら、ご両親の方もさぞかし綺麗な方なのだろう。

　そう思った私は、ご両親について聞いてみようと口を開いた。


「……あ、あの、桐生さんのご両親って……」

「──ご注文のコーヒーとココアでっす。注文は以上の方でよろしかったでしょーかー？」


　思い切って桐生さんに問い掛けていると、ちゃらちゃらした感じ……というか、チャラ男をそのまま実体化したようなウエイターが、注文した品を持ってやって来た。


「……司（つかさ）。その口調をどうにかしろって、いつもマスターから言われているだろう」


　桐生さんは、司と呼んだウエイターをジッと睨みながら言う。

　え、口調……だけ？肌につけている装飾品なんかも注意した方がいいのでは？それとも、ここの喫茶店ではそういうのは自由なのかなぁ……？

　にしても、ここでウエイターをやっているということは、桐生さんと同じアルバイトをしている人なの、かな？