純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「はぐれずに、ちゃんとついてこいよ」


 むっ。それって子供扱い?私と桐生さん、そんなに年は離れていないのに……。だいたい、そこは「逃げ出さないようにちゃんととついてこい」じゃないの?

 それにしても……桐生さんには行く宛てがあるのだろうか?私に「外に出てみないか?」って聞いた時には、すでに行き先を決めていたのだろうか?

 緊張や不安を胸に、私は桐生さんの傍を無言でついていく。

 ……桐生さんの身長はこうして並んで歩いてみると、思っていたよりもずっと高かった。おそらく、180cmはある。

 身長が高くて、しかもすらっとしている体型だから、歩いていたらモデルなんかのスカウトをいっぱいされているんだろうなぁ……。

 まぁ、桐生さんなら、「興味ない」って言って断っていそうだけれど。

 一緒にエレベーターに乗り込むと、改めてここが5階なのだと知る。特に会話を交わさないまま1階に降りると、私たちはマンションを後にした。

 ……知らない場所だ。辺りをきょろきょろと見渡すけれど、ここはまったく知らない場所だ。悲しいけれど、ここが私の家の近所でないことは確かだな。


「……どこに行くんですか?」


 公園で散歩?日用品を買うために買い物?

 まさか……ゲームセンターやカラオケに遊びに行くっていうことは……ないと思うけど。桐生さんがそういうところに行くのは、想像できないし。