最後までこの気持ちを声に出して伝えなきゃいけないのに……!
「……けどっ、私……桐生さんのこと……っ好きで……っずっと大好きで……ごめんなさっ…――」
次の瞬間、私はバッとこちらを振り向いた桐生さんに抱きしめられた。いきなりの出来事に、頭がついていけない。
「え?えっ?」
変な声まで出てしまう始末だ。
「……っ、謝るな」
耳のすぐ側で聴こえる、桐生さんの切羽詰まったかのような声。
「篠原さんは何も悪くない」
「ふっ……う……ふぇ……っ」
泣いちゃダメだって、何度も何度も自分に言い聞かせていたのに、桐生さんのあたたかい声を聴いていたら、勝手に瞳から涙が溢れ出てきた。
「俺は……また君を泣かせてしまった」
震えている、桐生さんの声。
ゆっくりと紡がれていく桐生さんの言葉に、私はそっと耳を傾ける。時折、相槌をうつように、肯定の意味をこめて首を縦に振ったり、否定の意味をこめて横に振ったりしながら。
「俺は、俺が隣にいることで、君が嫌な思いをするなら……と君の前から消えてしまうつもりでいた。陰ながら見守るつもりでいた」
桐生さん……。
「……けどっ、私……桐生さんのこと……っ好きで……っずっと大好きで……ごめんなさっ…――」
次の瞬間、私はバッとこちらを振り向いた桐生さんに抱きしめられた。いきなりの出来事に、頭がついていけない。
「え?えっ?」
変な声まで出てしまう始末だ。
「……っ、謝るな」
耳のすぐ側で聴こえる、桐生さんの切羽詰まったかのような声。
「篠原さんは何も悪くない」
「ふっ……う……ふぇ……っ」
泣いちゃダメだって、何度も何度も自分に言い聞かせていたのに、桐生さんのあたたかい声を聴いていたら、勝手に瞳から涙が溢れ出てきた。
「俺は……また君を泣かせてしまった」
震えている、桐生さんの声。
ゆっくりと紡がれていく桐生さんの言葉に、私はそっと耳を傾ける。時折、相槌をうつように、肯定の意味をこめて首を縦に振ったり、否定の意味をこめて横に振ったりしながら。
「俺は、俺が隣にいることで、君が嫌な思いをするなら……と君の前から消えてしまうつもりでいた。陰ながら見守るつもりでいた」
桐生さん……。



