純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「でも……っ!時間が経つにつれて、桐生さんはそういう人じゃない……本当は優しい人なんだって知りました。洋佑という彼氏がいながら……桐生さんに徐々に惹かれていったのは事実です……」


 桐生さんはさっきから身動き1つせず、ただただ黙っている。でも、私の言葉を聴いてくれているのだと思うと、嬉しい。


「そして、いつのまにか完全に桐生さんに恋、していました。それがダメなことだって分かっていたのに、想いはどんどん溢れ出すばかりで……。

 洋佑に殺されかけた時、私は洋佑に対する恋愛感情が消えていることに気が付きました。恐怖の方が、勝ってしまっていたんです……。桐生さんが助けに来てくれて本当に嬉しかったんです。今も……助けに来てくれて、嬉しいです」


 あの雨の日のことを思い返すと、狂気に満ちた洋佑の顔がフラッシュバックする。とても怖い、洋佑の顔。

 私は少し俯き、そしてバッと顔を上げて桐生さんの背中を見つめた。


「私、5年間、桐生さんが帰ってきてくれるのをずっと信じて待っていました……!信じて待っていたら、こうして私の前に姿を現してくれた。それが本当に嬉しいんです。

 あれから5年も経っちゃって……桐生さんの気持ち、変わっているかもしれない。私のこと……どうでもよくなっているかも……しれな……っ」


 涙、こらえなきゃいけないのに、こらえてちゃんと伝えなきゃいけないのに、ダメ……声が震える。このままだと泣いてしまう。