監禁されているという現実ですでに精神的にもつらいのに、このままの状態で何も出来ないというのは……苦痛を通り越した拷問以外のなんにでもないかもしれない。


「……ん?」


 ベッドの隣に置かれている机の上に、さりげなく視線を落としてみると、白い紙とラップに包まれた焼き飯とお茶が注がれたコップ置かれていることに気付く。

 そーっと白い紙を手にとり、目線を下に落とすと、それは桐生さんから私への置き手紙のようだった。

 【夕方頃に帰る。腹が減ったら食え。桐生一夜】……と、ビックリするくらいに、丁寧な字で書かれている。

 ……こんなにも丁寧な字を書くのなら、もうちょっと丁寧な文章を書けばいいのに……。

 どうしてこんなにも上から目線なの。しかも、見るからに言葉が足りないし。もうちょっと色々と書いていったらどうなの?!

 内心、悪態をつきながらも、私は机の上に置かれている焼き飯に視線を移した。

 こうやってご飯を作って置いていってくれるということは、少なくとも、私を餓死をさせようっていうわけではない、のかな……。

 殺すつもりはないとかなんとか言っていたし、それは……もしかしたら本当……なのかも?

 いやいや、こういうことを平然とやってのけてしまう人って、何を考えているのか分からないから、油断させようとしているだけかもしれない。

 なんにせよ、警戒は怠らないようにしないと。