純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「もう少しで救急車が到着するんですから……だから……目を、開けてください……!」


 動かない、桐生さん。


「死なないで……ください……」


 動かない、桐生さん。


「……っ桐生さん!!!」


 動かない、桐生さん。


「っう……うっ……ひっ……」

 泣いたらダメだと分かっているのに、分かっている、のに、泣いたらダメなのに……!我慢しなくちゃいけないのに……!とまってよ……涙のバカ……っ!

 涙を流すまいと堪えていた、その時だった。


「……泣いているのか?」

「──っ!」


 膝の辺りから声が聴こえた。慌てて桐生さんの顔に視線を落とすと、細く目を開け、切なそうに表情をしかめた桐生さんと目が合う。

 洋佑による背中や腕への傷口が痛むせいだろう、桐生さんは苦しそうに何度も息を吸っては吐いていた。


「桐生さん……っ!」

「……しのは……ら、さん……。すまな、い……。また……君を、泣かせ……て、しまった……」


 桐生さんが目を開けてくれたことが嬉しくて、今何かを喋ったら涙がせっかく止まった涙が止まらなくなりそうで、私は首をブンブンと横に振る。