「桐生さん、助けに来てくれて……ありがとうっ。私、洋佑にっ、殺されちゃっ……のかと思っ……」
抱きしめられた安心感からか、再び泣いてしまいそうなのを堪えながら言うと、思い通りに声が出なくて、桐生さんに聴こえていたのか不安になった。
けれど、背中にまわされていた桐生さんの手が私の頭の後ろに移動し、桐生さんの胸板に押し付けられたということは、聴こえていたのだろう。
聴こえていたという安心感に、私はとうとう耐え切れなくなって、そっと涙を流した。
「きりゅ……さ……ん……」
「もう少し……早くきてやればよかったな」
桐生さんの言葉に、私は首を横に振る。だって、遅かれ早かれ、助けに来てくれたこと自体が嬉しいんだもの。
「司に頼まれていた本を家に忘れてな……ちょうど休憩時間だったし、取りに帰ろうとマンションを見上げたら、玄関の扉が開いていて……篠原さんが外を出たのだと分かり、捜し回ったんだ」
「ご、ごめんなさい……!洋佑に連れ出されて……私、助けられたのだと思って嬉しいって……でも、桐生さんと離れたくないと思ったのも……事実で……どうすればいいのか……分からなくて……!」
抱きしめられた安心感からか、再び泣いてしまいそうなのを堪えながら言うと、思い通りに声が出なくて、桐生さんに聴こえていたのか不安になった。
けれど、背中にまわされていた桐生さんの手が私の頭の後ろに移動し、桐生さんの胸板に押し付けられたということは、聴こえていたのだろう。
聴こえていたという安心感に、私はとうとう耐え切れなくなって、そっと涙を流した。
「きりゅ……さ……ん……」
「もう少し……早くきてやればよかったな」
桐生さんの言葉に、私は首を横に振る。だって、遅かれ早かれ、助けに来てくれたこと自体が嬉しいんだもの。
「司に頼まれていた本を家に忘れてな……ちょうど休憩時間だったし、取りに帰ろうとマンションを見上げたら、玄関の扉が開いていて……篠原さんが外を出たのだと分かり、捜し回ったんだ」
「ご、ごめんなさい……!洋佑に連れ出されて……私、助けられたのだと思って嬉しいって……でも、桐生さんと離れたくないと思ったのも……事実で……どうすればいいのか……分からなくて……!」



