桐生さんの服の裾を掴む私の手が、カタカタと震える。
それはきっと、桐生さんのその後の反応が怖いから。私を振り切り、また洋佑を傷付け始めるんじゃないのかと……怖いから。
だって、もう、洋佑からは呻き声さえ聴こえない……。
──カラン、コロン。
地面に金属バットが落ちた音が聴こえた。視線を落とすと、地面に金属バットが転がっているのが見えた。……桐生さんが手放したんだ。
「っえ……?」
「篠原さん……!」
ガバッと桐生さんがこちらを向き、私を力強く抱きしめる。私は突然のことに驚き、両手が宙を泳ぐ。
「すまない……。篠原さんがやめろと言うのなら……もう、本田洋佑に危害は加えない」
「桐生さん……」
私を抱きしめる桐生さんの体温は温くて。でも、触れられているところは熱くて。私は、やっぱり桐生さんのことが好きなのだと再認識した。
私と一緒にいた時の……今までの洋佑のことは好きだけれど、こんなことになってしまった以上、恐怖にしか見えなくなってしまった以上、私はもう、洋佑のことを心の底から愛することは出来ないだろう。
私はそっと、桐生さんの背中に自分の両手をまわした。
それはきっと、桐生さんのその後の反応が怖いから。私を振り切り、また洋佑を傷付け始めるんじゃないのかと……怖いから。
だって、もう、洋佑からは呻き声さえ聴こえない……。
──カラン、コロン。
地面に金属バットが落ちた音が聴こえた。視線を落とすと、地面に金属バットが転がっているのが見えた。……桐生さんが手放したんだ。
「っえ……?」
「篠原さん……!」
ガバッと桐生さんがこちらを向き、私を力強く抱きしめる。私は突然のことに驚き、両手が宙を泳ぐ。
「すまない……。篠原さんがやめろと言うのなら……もう、本田洋佑に危害は加えない」
「桐生さん……」
私を抱きしめる桐生さんの体温は温くて。でも、触れられているところは熱くて。私は、やっぱり桐生さんのことが好きなのだと再認識した。
私と一緒にいた時の……今までの洋佑のことは好きだけれど、こんなことになってしまった以上、恐怖にしか見えなくなってしまった以上、私はもう、洋佑のことを心の底から愛することは出来ないだろう。
私はそっと、桐生さんの背中に自分の両手をまわした。



